理事長挨拶
ご挨拶
この度、日本小児泌尿器科学会の理事長を拝命しました野口満でございます。これまで多くの学会員の皆様のご努力により、ここまで発展した学会の運営を担わせて頂くことになり、重責を感じるとともに大変光栄に存じます。
日本小児泌尿器科学会は設立30年を過ぎました。これまで多くの会員の皆様方の力で本学会が築きあげてきたものを精錬し、すさまじいスピードで進んでいる医療の波に乗り、良質な学術研究とその成果公表、医療安全が担保されたより良い医療の提供を目指し、本学会の成熟期にできればと思っております。
日本小児泌尿器科学会の更なる発展のために
現在進行中の停留精巣ガイドライン改訂版を公開し、学会主導型研究をさらに推し進めていかねばなりません。また、学会専門医制度についても試験制度を導入し、専門医機構承認の専門医認定を目指していきます。このため本学会の教育システムも検討していくことになります。さらに、今回、国際委員会を学会の中に創設いたしました。欧米はもちろん、アジア各国の関連学会、小児泌尿器科医との連携を深め、情報交換を行っていきたいと考えています。内視鏡手術・ロボット手術が小児泌尿器科領域でも導入され、本邦でも今後広く普及するものと思われます。海外のhigh volume center の成績や情報も取り入れ、学会とし安全な内視鏡手術を後押ししたい次第です。
さて、学会の発展には次世代の若い力が必要不可欠です。 “小児泌尿器科学”をあまりよく知らずに医師になった研修医も少なくないかもしれません。そんな研修医の先生方に“小児泌尿器科学”を知ってもらい、若い先生方に小児泌尿器科医を目指して頂く機会を学会で作っていければと思っております。
小児泌尿器科疾患の子供達とそのご家族の幸せを
小児泌尿器科疾患の子供達は、少子化の中で減少しているわけではありません。一方、働き方改革と子育て支援に加え、不妊治療の保険適応と、このような国の取り組みが少子化の歯止めが期待されます。さらに、妊娠、出産、育児と仕事の両立に対する環境が整い始めています。我々は、小児泌尿器科疾患の子供達に加え、子供たちのご家族の幸せをも含め、誠心誠意励まねばなりません。我々、学会員の迅速な情報交換はもちろん、当学会のHPで様々な情報を提供していく所存です。
安全で皆様方に安心頂ける医療の提供を目指して参りますので、ご協力・ご支援の程よろしくお願い致します。
2023年 秋
日本小児泌尿器科学会
野口 満
(佐賀大学医学部泌尿器科学講座 教授)