理事長挨拶
ご挨拶

理事長 杉多 良文
このたび、日本小児泌尿器科学会理事長を拝命いたしました、兵庫県立こども病院の杉多良文でございます。大変光栄に存じるとともに、その重責に身の引き締まる思いでおります。
本学会は1992年の創設以来、会員の皆様のご尽力により、我が国における小児泌尿器科学の臨床・研究、そして次世代の育成に大きく貢献してまいりました。歴代の理事長は時代の変化に柔軟に対応されながら、強いリーダーシップのもと学会を発展させてこられました。私もその流れを継承し、さらなる成長を目指してまいります。
これまで本学会は、小児泌尿器科主要疾患のガイドラインの作成や、教科書『小児泌尿器科学』の刊行などを通じて、標準的診療の普及に努めてまいりました。今後も活発な学術活動を継続し、安全・安心な小児泌尿器科診療の提供に寄与してまいります。また、現在、進行中の、膀胱尿管逆流などに関する学会主導研究の成果を、国内外に向けて積極的に発信してまいります。
一方で、日本専門医機構認定専門医制度への加入、法人化、保険未収載手術の収載に向けた厚生労働省との協議、国際学会との連携などの課題も多く存在します。これらについては各委員会を中心に会員の皆様と密接に連携し、着実に取り組んでまいります。
学会の未来を支えるのは、次世代を担う若手医師の力です。30年以上にわたり小児泌尿器科に携わってきた経験を活かし、若手医師にとって「成長と可能性を感じられる、開かれた、魅力ある学会」となるよう努め、本学会への入会および積極的な活動参加を促してまいります。
本学会は泌尿器科医、小児外科医、小児科医、看護師から構成されており、それぞれの専門性を活かして、小児泌尿器科疾患を持つ子どもたちに最善の医療を提供してまいりました。小児泌尿器科疾患でお困りの際は、ホームページでお近くの専門医をご確認ください。全国のすべての都道府県に専門医が配置されていない現状は課題ですが、必ず改善していきたいと考えております。
引き続き、日本小児泌尿器科学会へのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年8月
日本小児泌尿器科学会
杉多 良文
(兵庫県立こども病院 副院長兼泌尿器科部長)