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胎児診断・胎児治療

胎児の腎尿路異常について

まだお母さんのおなかの中にいる、赤ちゃんの腎ぞうや尿管、膀胱の病気についてのお話です。
腎や尿路の形の異常は超音波検査(エコー検査)にて比較的描出され易く、妊婦検診で泌尿器科的異常を指摘される胎児は少なくありません。このように出生前診断される泌尿生殖器系疾患の頻度は、全妊娠の約1%と報告されていますが、その多くは広義の水腎症(図:ここをクリック)です。これらの予後(その後の病状経過)は良好です。胎児治療では、胎児期に外科的な治療を計画して実施(お母さんのおなかの中、すなわち子宮内での赤ちゃん自身への治療です)するのですが、必要となる症例は極めてまれです。

胎児治療が考慮される理由と状態

羊水(ようすい)は物理的にも子宮の中の胎児を守っています。羊水は、妊娠の初期には主に胎盤の分泌物などで構成されます。妊娠が進んで胎生16週以降になると胎児の尿が構成成分の主体となり、羊水量が胎児の腎機能を予測する大まかな指標となります。従って、胎児の超音波検査で何らかの腎尿路異常が指摘されても、合併症が無くて羊水量が正常であれば、重篤な腎機能障害の恐れや(もちろん生命の危険も)ありませんから、積極的な治療的な介入は原則的におこなわれません。
しかしながら、羊水は胎児の肺の形成と深い関わりがあります。妊娠早期より明らかな羊水過少を伴うような場合は肺が育ちにくくなります。そして、生まれてすぐに、呼吸がうまくできないために生存すら危ぶまれます。
妊娠週数がまだまだ早い、胎外での成育が困難な時期に羊水過少がみられたとき、はじめて胎児治療が考慮されます。現在泌尿器科疾患に対して行われている胎児治療の主なものは、胎児膀胱-羊水腔(ようすいくう)シャントといわれるもので、尿道の異常によって、つまった胎児の尿を胎児の膀胱に管(カテーテル)を入れて羊水腔に導く方法です。これによって、胎児の生命予後の改善が報告されていますが、原疾患そのものに対する治療ではないため、腎臓や排尿機能については、のちに重い障害を残す症例も少なくありません。また、手技に伴うトラブルも多く、適応は慎重に考慮されなければなりません。羊水過少が指摘されても、妊娠後期であれば分娩を早めて新生児科の協力によって、生まれてから直接的な治療を行うことが可能です。

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