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二分脊椎・神経因性膀胱

疾患の概念どのような疾患?

二分脊椎とは、椎弓(ついきゅう:背骨の後ろ側の部分)の癒合不全(ゆごうふぜん:骨がつながっていない状態)を意味します。神経因性膀胱とは、神経のなんらかの異常が原因となって、膀胱(ぼうこう)や尿道の機能に異常がみられる状態です。神経因性膀胱では、尿をためる(蓄尿)機能や、ためた尿を排尿する機能に問題が生じます。

疾患の成因どうして起こるの?

正常な蓄尿や排尿機能のためには、膀胱や尿道の神経が脊髄(せきずい)や脳とつながっている必要があります。
二分脊椎では、背骨の異常に伴って神経が障害され、神経因性膀胱となることが少なくありません。神経因性膀胱の原因には、二分脊椎以外に、脳性まひ、髄膜炎(ずいまくえん)、脳腫瘍、脊髄損傷などが含まれます。

診断・検査どのように発見されるの?

二分脊椎では、出生時に背中の皮膚の欠損やこぶの存在によりすぐ診断がつく場合があります。一方、出生時には診断されなくても、背中の小さなこぶや皮膚のくぼみ、異常発毛などで二分脊椎が診断されることがあります(潜在性二分脊椎、図1:ここをクリック)。オムツをつけている間は、蓄尿や排尿機能の異常に気が付かないこともあります。生後数年たってから、尿に細菌がついて膀胱炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)などの尿路感染を起こしたり、あるいはオムツをはずした後に尿失禁が続くということがきっかけで、神経因性膀胱が診断されることがあります。
神経因性膀胱が疑われる場合には、尿検査とともに、腹部超音波検査で膀胱や腎臓(じんぞう)の状態を観察します。オムツがとれている子供さんの場合は、尿の勢いを測定したり、残尿(排尿後に膀胱に尿が残る状態)の有無を調べたり、家庭で排尿記録をつけてもらうこともあります。膀胱や腎臓に問題がある場合は、膀胱のレントゲン検査(図2:ここをクリック)や、膀胱の詳しい検査(尿流動態検査)をすることがあります。

治療どうやって治すの?

膀胱や尿道の機能異常の程度が軽い場合には、日中2時間毎の時間排尿で経過をみます。蓄尿時の膀胱の緊張が強い場合には、膀胱をリラックスさせる薬剤を使用することがあります。便秘は膀胱機能に悪影響を与えますので、便秘対策も大切です。尿路感染を起こしたり、膀胱や腎臓に問題がある場合には、間欠導尿(時間毎に尿道から細いくだを挿入して、定期的に膀胱をからにする管理法)が必要となることがあります。

POINT外来経過観察上のポイント

子供さんの成長とともに、膀胱や尿道機能が変化する可能性がありますので、定期的な外来受診が必要です。

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