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小児外陰部(男児)の嚢胞性疾患

傍外尿道口嚢胞 (ぼうがいにょうどうこうのうほう、図1:ここをクリック)

疾患の概念どのような疾患?

傍外尿道口嚢胞は、外尿道口(尿の出口)に接しその片側あるいは両側にできる嚢胞(のうほう:液体が貯留した袋状の腫れ物)です。発生頻度は文献上、乳児検診(男児)で500人中3名の割合で見いだされたとの報告があり決して稀な疾患ではありません。発症年齢は出生時から幼少期がもっとも多く、次に10歳代での発症が多くみられます。

疾患の成因どうして起こるの?

一般的に先天性(生まれながらの)と言われていますが、後天性(生まれたあと)に要因(尿道の外傷・炎症・感染)が加わり生じることがあるとの報告もあります。

診断・検査どのように発見されるの?

多くは無症状で経過します。そのため、亀頭部(きとうぶ、陰茎の先端部)が露出するようになってから見つかり来院します。またある程度の大きさになると尿線(にょうせん、おしっこが描く線)の異常や美容上の問題で来院することもあります。診断は嚢胞の典型的な存在部位により視診(よくみる)でほぼ明らかになります。

治療どうやって治すの?

良性の嚢胞のため症状がなければ、経過観察でも問題ありません。また自然に縮小し消失することもあります。
治療は穿刺(せんし、嚢胞から液を抜く)では再発しやすいため嚢胞全体をとる手術方法がすすめられています。

陰茎縫線嚢胞 (いんけいほうせんのうほう、図2:ここをクリック)

疾患の概念どのような疾患?

陰茎縫線嚢胞は、外尿道口(尿道の開口部・尿の出口)から陰茎腹側(陰茎の裏側)・肛門にかけての縫線上(ほうせんじょう、中心線)にできる単発性(1個)あるいは多発性(数個)の半透明な比較的軟らかい嚢胞(のうほう:液体が貯留した袋状の腫れ物)であり、比較的稀な疾患であると言われています。

疾患の成因どうして起こるの?

一般的に先天性(生まれながらの)と言われていますが、後天性(生まれたあと)に要因(尿道の外傷・炎症・感染)が加わり生じることがあるとの報告もあります。

診断・検査どのように発見されるの?

多くは無症状で経過します。無症状であるため、多くはある程度の大きさになり美容上の問題で来院します。
また陰茎縫線嚢胞の12.5%に感染が起こるとも言われており、そのような場合は痛みや陰茎の腫脹(はれ)がみられます。診断は嚢胞の典型的な存在部位により視診(よくみる)でほぼ明らかになります。

治療どうやって治すの?

良性の嚢胞のため症状がなければ、経過観察でも問題ありません。治療は穿刺(嚢胞から液を抜く)では再発しやすいため嚢胞全体をとる方法がすすめられています。感染をきたしたものではまず抗菌薬治療をおこなったのち嚢胞をとります。

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