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性分化疾患

疾患の概念どのような疾患?

性分化疾患とは、卵巣(らんそう)や精巣(せいそう)などの性腺や子宮などの内性器、あるいは外陰部が典型的な男性または女性の形態をとらない先天性疾患です。様々な疾患が含まれており個々の疾患により病態も異なるため、疾患ごとに対処方法が異なってきます。(かつては性分化異常症という言葉が用いられていましたが、近年は性分化疾患の呼称となっています。)

疾患の成因どうして起こるの?

外陰の発生は、胎児期(妊娠中)に自身から分泌される性ホルモン(特に男性ホルモン)により影響を受けています。
先天的に性腺機能が不十分であったり、性ホルモンに対する感受性が低下していたりすることにより外陰が典型的ではない外観を呈します。また、本来男女を問わず副腎(ふくじん)でも少量の男性ホルモンが分泌されていますが、副腎の機能異常により副腎からの男性ホルモンの分泌が過剰になった場合にも外陰異常を呈します(先天性副腎過形成)。性腺の発生異常があり、性ホルモンの分泌が出来ない場合には外陰は女性型になります。その場合には新生児期には性分化疾患の存在を認識できない場合もありますが、思春期に二次性徴が発来しないことにより診断されます。

診断・検査どのように発見されるの?

診断には外陰の視診と性腺の触診が重要です。先天性副腎過形成に伴う性分化疾患では、多くの場合にはマススクリーニングにより診断が可能ですが、その他の性分化疾患が疑われる場合には染色体検査や内分泌検査、エコーやMRIによる画像診断が行われます。いつ・どのような検査を行うべきかは、専門医による判断が必要です。

治療どうやって治すの?

性分化疾患には、小児内分泌科・小児泌尿器科・精神科・遺伝科の医師などのチームによる治療が行われます。
先天性副腎過形成が疑われる場合には副腎不全を示す可能性があり、早期に小児内分泌科医による精査・加療が必要です。外陰が典型的外観ではない場合には、社会的性に応じた外陰の形成手術が行われます。
性腺の発生異常を認める症例では、性腺腫瘍を認める場合があります。疾患の種類により異なりますが、予防的な性腺摘除術(せいせんてきじょじゅつ)が推奨される場合があります。その場合、腹腔鏡による手術が適応となることがあります。

出生届について

新生児期に診断される症例では、慎重に性別を決定した方が良い場合があります。出生届は通常は出生後14日以内の届け出が必要ですが、提出を保留することが可能です。名前・性別を未記入のままの提出も可能ですが、後日の届け出には「追完」の記録が戸籍上に残るため配慮が必要です。

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